前回は、全館空調のメリット・デメリットについてお伝えしました。⇒コチラ
そこで今回は、デンソーの全館空調『PARADIA』を詳しく調べていきたいと思います。
1、デンソーの全館空調『PARADIA』とは?
デンソーとは?
皆さんはデンソーと聞いて製品がすぐに思い浮かぶでしょうか?
私はいまいちピンとこなかったので、まずは「デンソー」から調べてみました。

社 名:株式会社デンソー
設立年月日:1949年12月16日
本社所在地:〒448-8661 愛知県刈谷市昭和町1-1
資 本 金:1,874 億円
トヨタ自動車の赤字部門であった「電装部」が分離独立、「日本電装株式会社」として創業。
現在もトヨタグループに属しており、先進的な自動車技術、システム・製品を提供する
グローバルな世界シェア№1の自動車部品メーカーです。
全館空調については、40年の実績があり、200社以上の大手ハウスメーカーや
工務店・設計事務所などと取引があり、その販売実績は20000台を超えているそうです。
『PARADIA』の仕組み
(画像等 PARADIA HPより引用)

PARADIAのすごいところは、1台で、24時間換気・冷房・暖房・空気清浄・除湿に加えて
オプションにはなりますが『加湿』も加えた6つの機能があることでしょうか。
全館空調で気になるのは乾燥なので、加湿機能が付いているのは嬉しいですね!
室内機の設置場所

床置きタイプの場合、半畳の機械室に設置
⇒収納を多く取りたい、部屋を広くしたい時に有効
小屋裏タイプの場合、設置及びメンテナンススペースに3畳必要
⇒ロフトを作りたい、勾配屋根を利用したい時に有効
更に、その他必要な部材やダクトを設置するスペースも必要となります。
床置タイプの室内機は約60~75㎏、小屋裏タイプの室内機は約50~60㎏です。
小屋裏・床置共に、機器と作業員の重さを考慮した補強が必要になります。
導入できる地域・性能
次世代省エネルギー基準の4~8地域で設置が可能。
4地域の場合は、補助暖房等が必要な場合があり、沖縄・離島地域では導入できない。
設置基準としては『C値が2.0㎠/㎡以下』であることが必須になってきます。
さらに、UA値0.6以下の外皮性能を推奨しているものの、
クリアしなければならないというものではないそうです。
外皮平均熱貫流率(UA値)
建物内外の温度差が1℃の場合の部位ごとの熱損失量の合計を外皮等の面積の合計で除した値をいいます。
UA値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高くなります。
※ホームズ君よくわかる省エネより引用
PARADIAの特長
温度



24時間365日頭の先からつま先までちょうどいい温度を実現しますが、
各部屋で温度設定を変えることはできないようです。
※VAV機能を使えば、各室の温度調整は可能(2018.6.25 補足)
フィルター性能
換気用フィルター
フィルターには、換気用フィルターと空調用フィルターがあり、
換気用フィルターには「標準仕様」と「オプション仕様」があります。

このように、屋外に浮遊している花粉やほこりなどを強力に除去するフィルターを通って
室内に空気が供給されるため常にきれいな空気環境を作ってくれます。
PM2.5対応のフィルターはオプションとなります。
プレとメインの2層式のフィルターが、その静電気力によりダスト粒子を引き寄せることで、
1.0〜2.5μmの粒子を約90%以上キャッチしてくれるなんて頼もしいですね。
プラズマクラスターイオン発生ユニット




自然界にあるのと同じ+と-のイオンが、吹出口に装着した発生機から
家じゅうに拡散することで、空気を浄化。
ウィルスやカビ、ダニの糞などのアレル物質の抑制に加えて
静電気の発生を抑え、花粉の衣類やカーテンへの付着を防ぎます。
インテリア・デザイン性
間取り


吹き抜けやリビング階段など、どんな間取りでも家じゅうの温度差が少ないので、
間取りの自由度が上がります。
インテリア


空調(冷房・暖房)と換気(熱交換型)の機能を合わせ持ったシステムなので、
基本的にはルームエアコンの設置は不要となります。
左の写真のように露出するのは吹出口だけなので、
すっきりしていてインテリアの邪魔になりません。
エクステリア


一般的なルームエアコンの場合は、各部屋に設置するため5〜6台必要になりますが2台でok。
故障した場合は、室外機2台のうち1台での応急運転が作動するそうです。
大きさも一般的なルームエアコンの室外機と同じくらいで、見た目の圧迫感もなく、
外観もスッキリします。
ランニングコスト
電気代
年間電気代の目安:9万円~12万円
※年間消費電力の目安を3,000~4,000kWh、電気代単価を30円/kWhとした場合の試算
保証期間
建物引渡し日から2年間の保証がついています。
保証期間終了後は、都度有償にて対応。
メンテナンス
定期メンテナンス制度
1システムにつき、25,000円~/年
加湿器(オプション)を入れた場合、加湿機能維持のため、必須。
全館空調はルームエアコンと異なり、1年を通して使う空調設備ということもあり、
性能維持のため、加入するのが望ましいようです。

自分で行うお手入れは、フィルターの清掃・交換のみでフィルターは、家全体で2ヶ所。
詳しい手入れ方法はコチラ。慣れてしまえば難しいことは無さそうです。
交換するフィルターには、大きくわけて空調用と換気用の2種類あります。
※空調用フィルターは約3,000円~6,000円
※換気用フィルターは約2,000円~8,000円
以上、デンソーの全館空調PARADIAを知れば知るほど体感してみたくなりました。
皆さんも全国に体験できるモデルハウスがあるので足を運んでみてはいかがでしょうか?
次回はアズビルの全館空調『きくばり』についてご紹介します。
それでは、また!

コトノハ

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