家を建てると決めてから、色々なハウスメーカーさんを見る中で
「全館空調システム」という言葉をよく耳にするようになりました。
そこで、全館空調とは何なのかを調べてみました。
1、全館空調の特徴
全館空調システムの仕組み
※愛和建設より引用
全館空調システムとは、ざっくり言うと、一台の大きな空調機で家を丸ごと空調するシステムです。
居室だけでなく、トイレや廊下など家全体を冷暖房したり、24時間換気を行います。
これまでは、エアコン、加湿器、除湿器、換気扇などそれぞれの機器を使っていましたが
それを一台で行えるのが全館空調システムなのです。
一般的には、熱交換換気システムを中心に家の天井や壁にダクトを張り巡らせ、
建物内の空気を循環させるという構造になっています。
空気の吸込口・吹出口や室内機などの機器を、建物内に組み込む必要があるため、
新築時の設置が基本となります。
全館空調と高気密・高断熱住宅
では、どんな家にも付けられるものなのでしょうか?
結論から言うと、全館空調の性能が発揮できるのは『高気密・高断熱住宅』です。
さらに、『C値が2.0㎠/㎡以下』であることが基準となります。
一般的には、次世代省エネルギー基準を超える断熱気密レベルを満たしているかどうかが、
高気密・高断熱住宅のひとつの目安となります。
ハウスメーカーのカタログでC値、Q値という文字がよく載っていますが、アレですね。
C値とは
隙間相当面積のことで、家の気密性(隙間がどのくらいあるか)を数値で表したものです。
この数字が小さいほど気密性が高く、冷暖房効率が良くなります
Q値とは
熱損失係数のことで、住宅の断熱性能を数値で表したものです。
数字が小さいほど家から熱が逃げにくく、断熱性が高いと言えます。
※北海道無暖冷房協会より引用
24時間換気
そもそも昔の家は、換気が必要ないほど風通しが良かったですが、
技術の向上と省エネが叫ばれるようになり高気密・高断熱住宅が普及してきました。
密閉度が高くなった分、自然換気では換気が不十分で
シックハウス症候群が社会問題化し、2003年建築基準法が改正され
24時間換気が義務付けられました。
快適で長く住める家にするためのポイントは
「高気密」「高断熱」に加え、全館空調などの「空調・換気」も
なくてはならないシステムなのかもしれません。
2、全館空調のメリット・デメリット
メリット
- 24時間365日家のどこにいても快適温度
⇒家の中で温度差がないので快適かつ、ヒートショックも起こりにくい
- フィルターで有害物質除去、ほこりも溜まりにくい
⇒花粉、黄砂、PM2.5などを除去してくれるので、アレルギー症状を押さえ風邪も引きにくい
- 間取りが自由自在
⇒吹き抜けやリビング階段、大きな間取りも自由自在
- 冷暖房効率が高いので電気代が安い
⇒ルームエアコンと電気代はトントン
オール電化の場合、2~3万円/月くらい?
ルームエアコンとの比較シュミレーション
前提条件:高気密・高断熱の住宅(Q値=2、C値=2程度)、建坪40坪、4LDK、4人家族
※HOKより引用
- インテリア、エクステリアともにスッキリ
⇒室内機も室外機も1~2台なのでインテリア・エクステリアを邪魔しない
デメリット
- 初期費用と交換費用が高い
⇒坪数にもよるものの、150万(35坪)から250万円(55坪)
10年後、まるまる交換すると初期費用くらいかかりそう
- 配管用のダクトスペースが必要
⇒収納スペースが減る
- 乾燥する
⇒加湿機能がついているメーカーもあるが、冬場は過乾燥になりやすい
- メンテナンス
⇒システム全体では15~20年。
10年程度でファンモーターやコンプレッサーの交換が必要になるかも。
月一回フィルターを掃除機で掃除、年一回業者によるメンテナンス(5~6万円/年)が必要。
- 故障すると家中の冷暖房が止まるので家中不快に
⇒復旧するまで1日程度?
以上、調べた結果、
室内の快適性は増すので非常に魅力的な反面、
私が気になったのは、やはり「費用面」と「乾燥」でした。
乾燥に関しては加湿器で対応できそうなものの、
設置場所などの面で後付けは大変そうなので、後でつけたいなぁと思っても難しそうです。
これから家を建てる我が家にとってメリットとデメリットを天秤にかけながら導入を検討していきたいと思います。
皆さんのご参考になれば嬉しいです。
次回は、「DENSO(デンソー)」の全館空調について調べていこうと思います。
それでは、また!
コトノハ
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