出典:https://www.seishin-system.com/
2011年の3.11 東日本大震災
2016年4月14日の熊本大地震
立て続けに起こる震災に制震技術も開発段階から実用段階になり
建売住宅にも設置される例も見られます。
沢山ある制震装置のそれぞれの特徴やメリットデメリットなどを調べてみました。
難しそうですができるだけわかりやすく解説したいと思います。
シリーズ第6弾は日本制震システム株式会社のMERシステムです。
MERシステムの制震のメカニズム
柱と梁の間に約45度に取り付けるコーナー型のダンパーです。
ダンパーは自動車の部品を改良したもので木造軸組み(在来工法)にもツーバイフォーにも対応しています。
MERシステムを建物に設置することにより、建物に伝わる地震等のエネルギー(加速度)を約48%吸収し、建物への負担を軽減します。
小さい揺れから大きい揺れまで何度も繰り返される余震にも最大限の効果を保つことが出来るそうです。
MERシステムの特徴
バイリニア特性
地震の揺れ始めから高い吸収力で揺れを抑えます。
耐震壁の破壊を防ぎ繰り返し襲ってくる大きな揺れにも対応できます。
高性能でローコスト
MERシステムは製品を販売するだけでなく一棟ごとに限界耐力計算を行って必要設置場所を決めます。
限界耐力計算では震度7相当の地震を想定しているそうです。
一般的な住宅で10~12本を取り付けることになります。
設置から20年間の製品保証が付きます。
ピローボールの開発
ブラケットの付け根にピローボールという部品を取り付ける改良がおこなわました。業界初だそうです。
これにより斜め方向からの地震力にも対応できるようになったこと。取り付けの作業性が上がったという事です。
MERシステムの実験動画
MERシステムの動画です。
ダンパーの仕組み、小さな揺れや巾広い振動周期に対応出来ることから
施工性の良さまでよく整理されている動画です。
8分01秒です。
MERシステム口コミ・評価
MERシステムの口コミ・評価の特徴的なものが下の記事です。
実際の地震を経験することで評価が決まってくるようです。
リフォーム産業新聞1254号(2017/02/28)
http://www.reform-online.jp/news/manufacturer/10698.php
地震被害「軽微」に
日本制震システム(東京都千代田区)の制震ダンパー「MERシステム」の販売が好調だ。今期は前期比2割増で推移。月間で100~150棟の住宅で導入されている。 伸びの要因は、施工した住宅が熊本地震で外壁にクラック一つ付かない無傷だったこと。被災エリアの13棟すべて被害が軽微だったことが評価された。
MERシステムの価格等
制振装置の価格に関しては共通するデータがないので
正確な比較がしにくいのですがMERシステムの場合下のような分かりやすい指標がありました。
延床面積40坪以下の住宅の場合
新築なら…… 48,000円×12本=576,000円(税別)
新築工事の見積にこれをプラスするだけでOK!!
出典:株式会社榎組の価格表http://www.enokigumi.com/price.html
MER システムのサポート
「当社は全棟に限界耐力計算を実施しています。計算には日本建築防災協会の限界耐力計算を適用しています。」限界耐力計算によって制振装置<制震>の数値的効果が確認できるそうです。
価格に反映しているようですね。
MERシステムのまとめ
MERシステムは柱と梁のコーナー設置型でコンパクトでシンプルな構造です。
取り付けしやすい形に改良されていて耐震リフォームでもお勧めです。
MERシステムには基礎と土台の間に挟むパッキン型の制震材があります。これは地震に対するものではなく幹線道路や電車の線路のような交通による振動に対してのもので今回は取り上げませんでした。
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