出典:経済産業省
スマートグリッドとは
ウィキペディアの記事ではスマートグリッド(smart grid)とは、スマートメーターやHEMSの通信・制御機能を付加した電力網。
という事です。
経済産業省ではスマートコミュニティという言葉もほぼ同義で用いています。
これだけではあまり良く分かりませんね。
スマートグリッドが必要な理由、仕組、そして実例と3つのポイントでお話ししますね。
1、スマートグリッドが必要な理由
ニューヨーク停電
出典:防災システム研究所
スマートグリッドが必要なわけは、、、
1965年、1977年、2003年アメリカニューヨークで大停電が起こった事を記憶している方もいらっしゃると思います。
1965年の停電は厳冬期の暖房需要で発電が間にあわなくなって供給に対する需要過剰=オーバーロードになったのが原因です。
2003年の停電は真夏に起こりました。原因は確定していませんが送電管理システムのダウンにより連鎖反応を起こしたためとされています。そのもとにあるのが「電力の自由化」で、小規模の独立事業者の参入によって電力の安定供給や信頼性維持が軽視されていたからだと言われています。
日本では地震や台風などの大規模な災害でもない限り停電は起こりませんでした。
電力が地域の電力会社の寡占状態で発電から送電までの責任が明確だったからです。
2016年の4月の「電力自由化」によってその体制に変化が起こりました。
また天気により発電能力が大きく変化する太陽光発電が普及したり、電力の自由化で数多くの電力会社が参入すると発電量不足や送電の信頼性に問題が発生する恐れが高くなります。
2、スマートグリッドの仕組み
日本型スマートグリッド
出典:みずほ情報総研
スマートメーターとHEMSやBEMSとを利用すると各戸での需要や発電量のリアルタイムのチェックができます。供給量がひっ迫したときにはスマートメーターを遠隔操作して各戸への供給量を絞ることも可能になります。
これにより大規模な停電を起こさないで需要と供給の調整をすることが可能になります。
このような通信・制御機能を付加した電力網がスマートグリッドです。
事業所や工場など、限られた範囲でエネルギー供給源から末端消費部分を通信網で管理するスマートグリッドの事を特にマイクログリッドと呼ぶことが有ります。
3、スマートグリッドの例
出典:横浜市
2010年4月に経済産業省では、次世代エネルギー・社会システム実証地域の募集を行い「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として以下の4地域を選定しました。
神奈川県横浜市、愛知県豊田市、京都府けいはんな学研都市、福岡県北九州市 どちらも経済の中心地であり、自治体と地元大手企業との共同で事業の推進を計画しています。
各地域の計画で共通しているのは
1.再生可能エネルギーの導入
2.一般世帯向けのエネルギーマネジメント(HEMS)
3.事業者向けのエネルギーマネジメント(BEMS)
です。
このほかに各地域の独自のアイデアが加えられています。
例えば横浜では、都市廃熱を活用、地域冷暖房、EVの導入と充電インフラの整備を上げています。
これらの提案は参加企業の技術力を背景にしていることがうかがわれます。
ちなみに参加しているのは以下の企業・団体です。
東芝、パナソニック、明電舎、東京電力、東京ガス、アクセンチュア、日産自動車、NEC、横浜市金沢団地協同組合、横浜金沢産業連絡協議会です
横浜らしさと地域の活力を感じますね。
まとめ
スマートグリッドに関して見てきました。
省エネやCO2削減に向けて国際的な機関や国や自治体、企業など活発に活動しているのを感じます。
興味を持って積極的に協力して行きたいと感じております。
サクドン
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