出典:東京ガス
コージェネレーションという言葉は知らなくても、エエネファームという言葉はご存知の方は多いと思います。エネファームは思い出せなくても東京ガスの地域では電気ウナギイヌのCMは覚えている方が少なくないと思います。
家庭用のコージェネレーションを中心に調べてみましょう。
//
コージェネレーションの仕組み
出典:東京ガス
コージェネレーションは内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新しいエネルギー供給システムのひとつです。
大規模発電所で発電すると廃熱や送電ロスで約63%のエネルギーが無駄になります。各家庭までガスの状態で届けてそこで発電して廃熱を給湯や暖房に利用すればエネルギーの無駄が約14%に抑えられます。エネルギーの有効利用という観点からは進んだシステムと言えます。
発電機はガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、燃料電池などが有ります。家庭用としてはガスエンジンと燃料電池が採用されています。
家庭用のコージェネレーションの種類
家庭用のコージェネレーションはエネファームと、エコウィルと北国用に開発されたコレモの3種類です。それぞれについてみて行きましょう。
燃料電池で発電するエネファーム
出典:東京ガス
家庭用燃料電池「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を、空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気は家庭内で利用します。発電の時にでた熱も給湯に利用します。電気をつくる場所と使う場所が同じなので、エネルギーを無駄なく使える、環境にやさしいシステムです。
気になる価格は200~300万円です。高価なものですね。
環境にやさしいシステムなので国や地方自治体の補助金が有ります。その地域や時期によって金額や条件が変わりますのでガス会社や自治体への問い合わせが必要です。
以前はパナソニックのほかに東芝とENEOSが製造していましたが、ENEOSは2016年4月に東芝は2017年7月に製造を中止していて今はパナソニックはだけが製造しています。
ガスエンジンで発電するエコウィル
出典:四国ガス
エネファームは燃料電池で発電しますがエコウィルはガスエンジンで発電します。廃熱を利用して給湯や暖房に利用するところは同じです。
気になる価格は70万円前後です。エネファームと比較すると大分安価ですがそれでも高価ですね。
エネファームと同じように補助金が有ります。その地域や時期によって金額や条件が変わりますのでガス会社や自治体への問い合わせが必要です。
本田技研工業、長府製作所、ノーリツなどが製造して、ガス会社が販売しています。
北海道限定のコレモ
出典:アイシン精機
エネファームやエコウィルは全国区ですがコレモは北海道ガスが販売するローカルな製品です。エコウィルと同じガスエンジンで電気と熱を発生させる家庭用ガスコージェネレーションユニットです。エネファームやエコウィルは貯湯タンクがついていましたが、コレモは貯湯タンクレスで小型・軽量化ています。既に給湯暖房機を使用している住宅や、都市ガス・LPガスにも対応が可能です。総合エネルギー効率は90%を実現した高効率のシステムです。
北海道ガスでは余剰電力を自社で買い取る方法などコレモの利用者にメリットが出るような施策を講じて販促に努めています。省エネが実生活の光熱費の低減につながることが普及するかどうかを左右することになりそうですね。
まとめ
発電時の廃熱を給湯や暖房に利用するコージェネレーションの考え方はエネルギーの無駄を少なくする方法として進んだ考え方です。工場などで常時温水と電気が必要な施設ではその効率の良さを有効に活用できます。ただエネファームの製造メーカーが撤退していることから考えると決して住宅市場に幅広く受け入れられているようには感じられません。
一般住宅では電気の需要は年間を通じて大きな変動はありませんが、夏場に給湯と暖房の熱源が有っても有効利用は出来ません。理論上の効率が高くても実生活で有効利用できるとは限りません。自分自身の生活に合うか合わないかメリットデメリットを考慮して選定したいものです。
サクドン
最新記事 by サクドン (全て見る)
- 琉球住樂 の特徴と評判~沖縄県の工務店比較①~ - 2023年12月4日
- 発泡ウレタン3商品を熱伝導率で比較! - 2023年10月31日
- エクセルギーが分かる5つのポイント - 2022年8月3日