公務員の山田駿也さん(仮名)は、2018年、北海道に土屋ホームで家を建てました。無料CADソフトを使い日影図検討をしてしまう、という勉強熱心で行動力のある方です。
目次
家族について
・家族構成
夫(47歳、公務員)
妻:(46歳、専業主婦)
長女(7歳、小学一年生)
・家事分担
ほとんどは妻が行います。夫は、食器洗い、料理(たまに)、娘の風呂、宿題、読み聞かせ、寝かしつけくらいです。
敷地建物概要
・都道府県名:北海道
・敷地面積:55坪
・延べ床面積:37.75坪
・階数・構造:2階・在来工法(BEST-T工法)
・耐震等級:耐震等級2
・断熱スペック: Ua値0.25、C値0.21、長期優良住宅 充填断熱と外張断熱のダブル断熱、トリプルサッシ(APW430)、基礎外断熱、全室冷暖房
家づくりの期間
・問い合わせ:2017年5月
・間取り受け取り:2017年5月
・申込み:2017年8月(100万円)
・請負契約:2018年1月
・着工:2018年2月
・竣工:2018年5月
最後の転勤がきっかけで社宅から持ち家に
船渡 家づくりのきっかけを教えてください。
山田 娘が年長になる時に転勤になり札幌市に住むことになりました。今回の転勤が最後の転勤となる可能性が高いことから、長年の不便な社宅住まいから住みやすい持ち家にしようと思い決断しました。当初は都心に近いマンションも検討したのですが、札幌市はよほど地下鉄やJRに近くなければ、子供の習い事の送り迎えなどに車が必要で、2台分の駐車場代に毎月2万円以上かけるならば駐車場のある戸建ての方がよいと考えました。
さらに子供が小さかったこともあり、走り回る騒音で迷惑をかけたくない、庭で焼肉をしてみたいという気持ちもありました。あとは、単純に自分の家を持ちたいという憧れもあったかと思います。
船渡 土地探しの経緯を教えてください
山田 土地探しで一番重視したのは教育環境でした。北海道札幌市は関東などと違い、小中学校の私学はあまり強くなく、ほとんどの家庭で公立へ通わせます。そして公立学校のレベルが地区によって大きく違います。つまりどこに住むかによって子供の通う学校のレベルが決まってしまうことになります。
いくつか通わせたい学校が決まればその学区で土地を探すことになるのですが、そういう場所はだいたい都心から近く、また古くからある住宅地が多くて、売りに出ている土地はほとんどありませんでした。そんな中ハウスメーカーが共同で分譲地を売りに出すという噂を聞き、その場所がたまたま希望していた学校の学区の中に入っており、私の職場からも近かったので決定しました。
札幌版次世代住宅補助制度を利用したい
船渡 ハウスメーカーはどのように決めましたか?
山田 家を建てようと決めたときはあまり家のことをよくわかっていなくて、取りあえず住宅展示場へ行ってみようという程度でした。ハウスメーカー廻りをしているうちに北海道では高気密高断熱住宅というのがよいらしいというのをネットの掲示板で見ました。その記事は「新木造住宅技術研究協議会」通称「新住協」なる団体があることを紹介しており、早速そこで出している「燃費半分で暮らす家」という本を読みました。
この本を読んでから家に対する考え方が大きく変わりました。C値、Ua値、Q値についてや間取りについてなど、家づくりの基本的な知識や考え方はこの本から教わりました。
また、札幌市では札幌版次世代住宅補助制度というのを実施しており、最低限そのスタンダードレベル(Ua値0.28以下、C値1.0以下)を満たす事のできる住宅を建てられる会社を選ぼうと思いました。実際、鉄骨系ハウスメーカーなどで札幌版次世代住宅補助制度の話をすると、はぐらかしたり、基準がおかしいと言ったり、「いや〜うちのメーカーは、数値はいいですよ」というだけで、具体的にどのくらいの値が出ているか言わないなど、なんとも腑に落ちない内容の説明に終始する営業さんが多かったのをよく覚えています。
工務店も沢山廻りました。主に上記の「新住協」のマスター会員になっている工務店を見てまわりました。恵庭の「キクザワ」や札幌市の「三五工務店」「藤城建設」、岩見沢の「武部建設」などです。これらの工務店は断熱気密性能がとてもよく、無垢材や塗り壁などの自然素材をたくさん使った家づくりをされており、妻の希望にピッタリでした。この頃は工務店さんで家を建てたいと強く思っていました。
ただ、土地探しが非常に難航していて、結局建築条件のついていない希望の土地を探すことができずに工務店で建てることは断念せざる得ない状況でした。
基準を満たせるハウスメーカーはわずか
船渡 ハウスメーカーはどのような会社を見られましたか?
山田 ハウスメーカーで見てまわったのは、一条工務店、ダイワハウス、スウェーデンハウス、セキスイハイム、ミサワホーム、土屋ホームです。ダイワハウスでは札幌版次世代住宅補助制度の基準を満たすことができないのですが、希望の場所に建築条件付の土地を持っていたので、プラン作成をお願いしました。セキスイハイム、ミサワホームでは基準を満たすことができず、一条工務店はデザインが妻の好みに合わず、スウェーデンハウスは妻の一番のお気に入りでしたが予算が合わずに断念しました。
土屋ホームに決めたのは、まず高気密高断熱を実現している北海道のハウスメーカーであること、希望の場所に土地を持っていたこと、そして何より営業さんのフットワークの軽さでした。
担当の営業さんは体育会系の結構豪快な方で、そんなことしゃべって大丈夫なのって事もさらっと言っちゃうようなタイプの方だったのですが、押し出しが強く味方につければ頼もしい感じの人でした。分譲地の土地を買うときも、販売開始と同時に情報開示をしてくれて、すぐに押さえてくれたので希望通りの場所を確保することができました。ハウスメーカーを選ぶ上で営業さんとの相性はすごく大事だと思います。
CADソフトを使い、日影図検討
船渡 家づくりでは何に拘りましたか?
山田 断熱気密にとてもこだわりました。とにかく明るく暖かい家で、しかも暖房費が安くすむ家にしようと考えました。それから、妻と色々と話し合い、家に盛り込みたいものをリストアップして順位を付ける作業をしました。
1.高気密高断熱
2.家事の負担軽減
3.明るい家
4.キッチンの回遊型
5.仏壇
6.広めのリビング
7.カーポート
といった具合です。全部で26項目、順位付けしていないものを合わせると40項目にもなりました。
1の高気密高断熱については土屋ホームのダブル断熱トリプルサッシ仕様を選んだ時点である程度満たされています。
2の家を建てる直接の動機につながった家事の負担軽減ですが、妻の身長が低いため社宅時代に「物干しが高い」「収納が高い」等々家事をする上での負担がとても大きかったので、それを解消して生活に余裕を持たせたいという希望がありました。我が家の場合はお風呂とユーティリティスペースを2階に持って行きましたが、実際に住んでみると洗濯、物干し、取り込み、収納の動線がとても良く、かなりの負担軽減にかなりつながったと思います。
2階に洗濯機を置くことで不安だったのは洗濯終了時の「ピーピーピー」という呼出音が1階のキッチンやリビングから聞こえるかと言うことでしたが、リビング階段を採用していたためちゃんと聞こえました。
それと2階のお風呂はシャワーの水圧が十分に取れるか不安だったのでエコキュートは高圧タイプにしました。実際に完成してみると水圧は十分以上にあり、これなら普通タイプでも良かったかなと少し思っています。
3の明るい家ですが、これは家の配置計画に大きく関係するのですが、土地の方角が北西の角地になっているので南東側にスペースを空けることによって日射を確保しています。船渡さんに紹介されたフリーCADソフトのJW−CADで日影図を作成しました。
実際に書いてみると我が家の場合、冬の2月1日以降は12時〜13時頃まで日射取得ができることが分かりました。冬至も朝と13時頃は多少日射取得ができると思いますが、まだ冬を経験していないのでどうなるかは分かりません。今のところ予想通りの日射取得状況となっていますが、冬は隣家の屋根に雪が積もるので予想よりも少し日陰が増えるのではないかと思っています。
船渡 日影図をご自分で書かれるのって凄いですね!建築士だって、書けない人が多いのに(苦笑)
家づくりに熱心なめんどくさい施主
船渡 間取りはどのように決めていきましたか?
山田 当初、担当設計士さんに家の希望だけを伝え間取りプランをいくつか作成して頂きました。色々と希望を伝えていくと、どんどん家が大きくなり、しかも1階の面積が増えていくので、隣の建物との距離が近くなり家の中が暗くなってしまいます。良いプランが出てこないかと何回か作り直しをお願いしたのですが、なかなか気に入ったプランにならなくて、思い切って自分で作成したプランを見せてみました。
素人の作ったプランなので、そのまま清書して、これで行きましょうなどと言われたら、この会社で建てるのは危ないから止めようと思っていたのですが、ちゃんと素人プランの欠点を解消し、施主の希望と構造上の問題を解決したプランを作成して頂けました。
その後はこのプランをベースに細かい調整を繰り返していくことになるのですが、元々のベースが素人の作成したプランなので、本当に大丈夫なのか一抹の不安を拭いきれず、かえるけんちく相談所の間取り診断を受けることになりました。そこで船渡さんから「よくまとまっており、ゾーンイングや動線も考えられているプラン」というお言葉をいただき、安心したのと同時に心の中でガッツポーズをしたのをよく覚えています。
船渡さんの指摘はとても細かいところまで多岐にわたっており大変参考になりました。建築士ならではの「ここの扉の位置をちょっと調整して、棚の厚みを変えれば、ここにこれを置けますよ」といった指摘は素人には絶対に無理なので本当に助かりました。
実際に担当設計士にそのように変更をお願いしたところ「図面引いてみたら入りました!」と言われ、それから対応が明らかに変わりました。おそらく「なかなか納得しない面倒くさい施主」から「裏付けのある改善要求をしてくる家づくりに熱心な面倒くさい施主」に見方が変わったんじゃないかなと勝手に思っています(笑)
船渡 どの設計者も基本的には良い家を設計したいと思っているはずなので、納得いく要求であれば実現させてあげたい、とは思いますからね。
棟梁には娘を可愛がってもらいました
船渡 工事は見に行かれましたか?
山田 新しい家の場所が住んでいた社宅から車で数分の所だったので、妻と幼稚園児の娘でほぼ毎日のように見に行っていました(私は仕事の都合で休日のみでした)。邪魔にならない様に休憩時間を狙って、毎回お茶やコーヒーなどの飲み物を抱えて行きました。
土屋ホームは自社大工の施工で、我が家を担当して下さった棟梁さんはかなり年配で新人教育も任されているベテランの方でした。お孫さんがうちの娘と年が近いらしく、見に行くたびに「おぉ〜よく来たなぁ」って大変可愛がってもらえました。
木工事が終わったときに、大工の皆さんにちゃんとお礼を言って皆で記念撮影をしたかったのですが、すぐに次の現場が待っているらしく都合が合わなくてできなかったがすごく心残りです。今でも土屋ホームの現場を見ると、あのときの棟梁さんいないかなぁ〜って家族で探してしまいます。
木工事が終わってからは様々な業者さんが入れ替わり立ち替わり入ってくるようになりましたので、箱にお菓子を詰めて幼稚園児の娘の字で「いつもおつかれさまです。いえをたててもらってありがとうございます。よかったらたべてください」と書いた張り紙をして置いておきました。次の日に行ったら結構減っていて、クロス張りのおじさんに「おぅ、これ書いたのはお前かぁ、字上手だなぁ。お菓子ありがとうなぁ、美味しかったよ〜」と話しかけてくれて、娘もとても喜んでいました。
家の建設はたくさんの人がかかわるので、すべての方にお会いできたわけではないのですが、作ってくれている人達の顔がしっかり見えると言うことはすごく大切なことだと思います。我が家は住んでいた社宅から近かったので、頻繁に通うことができてとてもよかったです。
船渡 気に入っている部分はどこですか?
山田 とにかく家の中が明るいのが嬉しいです。まだ11月までしか暮らしていませんが、キッチン、リビングともに十分に明るいです。特に朝日がキッチンに差し込んでくるのを妻は気に入っています。
それから、妻の一番の望みだった回遊可能なペニンシュラキッチンもこだわったポイントです。そのために間取り的にかなりの制約を受けることも分かっていたのですが、お気に入りのキッチンを実現できてとても満足しています。もしここで妥協していたら、なんだかモヤモヤした気持ちをずっと抱えて生活していくような気がして、間取り的に大きな犠牲を払いましたが実現できて良かったと思っています。
洗濯動線も想定通りに機能してくれてよかったと思っています。前住んでいた社宅では風呂の出入り口の前に洗濯物を干す間取りとなっていました。風呂上がりに洗濯物の暖簾をくぐらなければならない状態でしたので、改善できて良かったです。うちの場合は室内干しがほとんどで、ユーティリティスペースと2階ホールの物干し場ですべての洗濯物を干すことができて、しかも物干しスペースが動線上に無いので快適です。
玄関も気に入っています。当初、来客者からシューズクロークを見えないように配置しようとしていたのですが、どうしても玄関の真正面にしか配置できず、丸見えになっていました。
しかし、船渡さんの提案でオシャレに見えるようにアーチ状の垂れ壁をつけて、全体的にコーディネートできたので、今ではすごくお気に入りの玄関となっています。
お客さんも玄関から入って第一声で素敵だと言ってくれるので結果的に良かったかなぁと思っています。
新築4か月でブラックアウトを経験
船渡 新居になって、暮らしに変化はありましたか?
山田 広くて使いやすいキッチンになったため、私が妻と一緒に料理をするようになりました。社宅時代は狭いし汚すと怒られるので全く興味が無かったのですが、簡単なお酒のつまみや自家製ピザなどを作るようになりました。広々キッチンで、家族でわいわい言いながら料理をするのは楽しいですね。
それから娘がひとりで寝るようになりました。自分の部屋があったのがよっぽど嬉しかったのか、社宅では布団で川の字になって寝ていたのですが、自分の部屋のベッドでぬいぐるみに囲まれて寝るようになりました。
土屋ホームの全室冷暖房システムはかなり快適です。まだ夏しか経験していませんが、家の中がどこも涼しい状態で、しかも高気密高断熱のおかげで電気代はさほど上がらないのでかなりおすすめです。冬にどのくらい暖房費がかかるか分かりませんが、社宅に住んでいたときの灯油代よりは安く住むのではないかと期待しています。
船渡 2018年9月6日に胆振東部地震がありましたが、いかがでしたか?
山田 新築4ヶ月目で胆振東部地震に遭遇し札幌市も震度5程度揺れました。かなり大きな地震で、家も揺れてはいるのですが、建物が軋んでいる音などはぜんぜん無く、そんなに強く揺れているという感覚はありませんでした。真四角の総二階だからか、偏心率が低いからなのかよく判りませんが、建物自体はまだまだ大きな揺れにも耐えられるような感覚を受けました。地震の後、多少気密性能が落ちているかも知れないと思いましたが、玄関ドアや窓を開けたときの負圧に変化が感じられないため、それほど落ちてはいないかなぁとは思っています。
その後、北海道はブラックアウトが発生し、札幌市も停電に見舞われました。オール電化住宅で停電になると、当然、暖房や冷房は使えません。しかしそれは他の熱源を暖房に使っている住宅でも一緒です。灯油もガスも電気がなければ使えません。IHも使えませんがカセットコンロがあったので大丈夫でした。
困った事はタンクレストイレで水が流せなかった事です。我が家の場合は二階が普通のトイレだったので不自由はありませんでした。それから、キッチンのタッチレス水栓が停電だと使えなくなります。これは不便でした。タッチレス水栓でも、シンク下の奥の方にコックがついていてそれを回せば水は出ますが、はっきり言ってめんどくさいです。
我が家の場合は玄関ホールに手洗いがあるので、そちらで水をくんだり洗い物をしました。その後、断水がおきるかも知れないという噂もあった(実際には無かった)のですが、オール電化の場合エコキュートに400リットル近いお湯が常時貯めてあるので、3、4日なら困る事はないだろうという安心感はありました。オール電化住宅の災害対策としては、カセットコンロと電源不要のポータブルストーブと灯りがあれば何とかなるかなといった印象です。
根拠に基づいた改善要求が出来た
船渡 かえるけんちく相談所について、何かあれば。
山田 間取り診断は既に話しましたが、大変有意義でした。そして、私にとってそれと同じぐらいに大切だったのは、診断後のメールサポートでした。
基礎のコンクリートの養生期間と温度管理の方法と時間について少し気になったのでメールで船渡さんに意見をお聞きしました。最初、施主の私が現場監督さんとお話ししたときは、まったく取り合ってもらえなかったのですが、船渡さんの助言に基づき根拠となる法令や規則と共にメールにて再度問い合わせたところ、一転こちらの要望通りにきちんと対応していただける事になりました。きっと最初の頃は「根拠なく無理難題を言ってくるめんどくさい施主」だと思われていたのだと思います(笑)。
設計士さん同様、その一件の後は大変紳士的にこちらの話を聞いてくれるようになりましたし、なぜそうしているのかの説明もきちんとしていただけるようになりました。やはり根拠に基づいて的確に改善要求をすると全く違う対応になると言うことを改めて感じる出来事でした。その後は幸いにも問題らしき問題はほとんど起きなかったのですが、何か事が起きたときに自分たちだけで対応するのではなく、業界に詳しい専門家のサポートがあるというのは大変心強いものです。
船渡 最後に土屋ホームで、家づくりを検討している方へのアドバイスをお願いします。
山田 土屋ホームの設計士さんは大変忙しい様です。我が家を担当して下さった設計士さんは新人教育を任されているような立場の方で、とても紳士的でよい方ですが、やはり間取りの検討に十分な時間をかけてもらえない雰囲気を感じました。忙しいので早く間取りを確定させ次の作業に移りたいというのが本音だったのではないかと思います。
そんな中でも、こちらの質問攻めにも一つひとつ丁寧に対応していただき、設計士さんのご自宅の図面なども拝見させていただいて、あれこれお話ししたり、様々なノウハウを教えていただいたりもしました。設計士さんとの相性も営業さん同様とても大事だと思います。
家の見積もりについてですが、私の印象では営業さんは総額しか見ていないと思います。一応設備などの詳細項目はありますが、値付けの仕方がかなり曖昧です。結局最終的に総額で何パーセントの儲けを確保できるかが重要なようです。
土屋ホームの基本価格は坪単価で決まります。坪単価×延床面積で決まるので建物がデコボコしていても関係なく、下屋があれば下屋割り増しが少しありますがさほど大きな違いはありません。つまり、その方法で計算していくと、我が家のような下屋の無い真四角の総二階の家は一番建築費用が安く抑えられるため、儲けを最大限に確保できるということになります。
それを交渉材料に値引きをお願いするのもいいのですが、うちの場合は「予算総額を明確に伝えること」「実現したい希望をしっかりと伝えること」「無理な値引き交渉をせずある程度儲けを確保してもらうこと」を念頭に置いて打ち合わせをしてきました。そのためかは分かりませんが、建築中に色々とわがままを言ってもわりとすんなり聞き入れてもらえました。
その代わりに諸経費の面で、例えば登記を自分でするとか、支払いの回数や割合を変更してもらってつなぎ融資の金利を安く抑えるなど、土屋ホームの利益を圧迫しない形での値引き交渉は積極的に行いました。
我が家を計画する前に、築2年から3年ぐらいの土屋ホームのお宅にお邪魔するという企画をやっていたので参加させて貰いました。実際に住んでいる方に、家を建てて良かったこと、失敗したことなど生の声を聞ける機会です。
アイランドキッチンのお家、水回りが二階のお家、リビング階段のお家、全室冷暖房のお家など、我が家で計画しようとしているものを使っている方のお話しを聞けたのは大変貴重な機会でした。特に2階水回りについては、この機会が無ければ怖くて採用できていなかったかと思います。
最後に土屋ホームで家を建てみての感想ですが、家作りは営業さんをはじめ様々な方のお世話になります。皆さんたくさんのお客さんを抱えておりとても忙しいので、施主の方としてもきちんと勉強して、できる事、できない事をしっかり把握し、ちゃんと会話できるようにならなければいけないと強く感じました。
無知な施主から無理難題を何度も要求されては、当然相手だって辟易してきます。限られた予算と時間の中で一生に一度しか建てられない家を、自分たちの納得する最高のものにしたいんだという気持ちと態度で望めば、必ず答えてくれるハウスメーカーだと思います。
営業さん、設計士さん、現場監督さん、棟梁さん達大工さん、様々な業者さん、皆さんとても良い方で「わがままで面倒くさい施主」だった私たちのために本当に尽力していただいて大変感謝しております。
船渡亮
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